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スポーツ種目別の注意点
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サッカー サッカー

サッカー soccer 
(ジュニア・サッカーの対策)
 ジュニア・サッカーの特徴
 サッカーはラグビーと同様に、ウインタースポーツというイメージをもたれていると思います。しかし、日本では学校教育を中心に行なわれており、その為、大会やまとまった練習を、夏季休暇を利用して行なわれています。サッカーも例外ではなく、暑い中で運動をせざるをえない状況となっています。

 現在、日本のサッカーはとても普及しており、男女を問わず、幅広い年代の人が活動をしています。日本の中では、暑さ対策が最も進んでいる競技と思われますが、事故などの、様々な事が起こりやすい環境でもあると考えられます。

 サッカー全般についての暑さ対策は、既に沢山の資料があるものと思いますので、ここでは、ジュニア年代のサッカーの注意点を書いていきます。
 
 特徴
@ 参加している年齢、体格などに差がある
 この時期は、発育期にあたり、身長や体重、体力などの個人差がとても大きく、同じ運動でも受けるダメージ、ストレスは異なってきます。また、年齢幅が広くなっていることも同様です。
 
A 学校教育中であるため、練習(合宿)、試合が休暇中にまとまって行なわれる
 基本的には、暑い環境下での運動は避けるべきです。しかし、練習や試合をせざるを得ないものと思います。また、サッカーはとても運動量が多く、運動負荷も高いものです。そうなると、十分な対策をしなれけばならないものと思います。
 
B 熱中症にかかりやすい年代である
 体が成熟はしておらず、そのため汗腺(汗の出るところ)が未発達であり、汗の出る量が少ないものと思います。そのため、大人に比べ、暑さに対する抵抗力はとても弱いものです。指導者は自らの状態を基準とするのではなく、子供たちの状態を基準として判断する必要があります。
 今の子供たちにいえることは、以前(指導者が経験した生活)と比べ、生活環境がとても異なっています。クーラーなどの空調設備がついた中で普段の生活をしているため、暑さに対する馴れがあまりできていない状態であることが考えられます。
 
 
 ジュニア・サッカーの注意点
 注意点
○ 暑さに対する十分な準備、対策をする
 体力、経験、体格、年齢などに大きな差があるものと思いますので、体力の弱い者などへの配慮を優先して考える必要があります。
 指導者はそのような者には、十分に目を向けていないといけないのですが、対象がとても多く一人では対応できないと思います。そのため、運動をしている者の状態を監視、観察する者を作るとよいと思います。(観察者は、10人に1人という対応で)
 具体的には、状態を客観的に判断ができるように、応急手当の知識を十分に持っている必要がありますので、そのような講習などを受けている者となります(「応急手当」のページを参考にして下さい)。また、運動している者の親御さんが練習に出向いているものと思いますので、そのような方々に手伝ってもらえるようにするとよいでしょう。
 
○ 環境について
 練習場所については、土のピッチのものが多いものと思います。乾いた土は照り返しが強く、運動している者にとって、とても暑い環境となります。そのため、水をまくなどを行なうとよいと思います。しかし、タイミングに注意が必要です。まいた直後は、水が蒸発するため、蒸している状態になります。少し時間をおいて有る程度、乾いた状態になってから始められるよう、まくタイミングを考えておく必要があります。
 学校の校庭などで行なわれることも多いと思いますが、建物の影響で風通しが良くなかったり、校舎やグラウンド面よりの輻射熱などによって、暑くなることも考えられます。日陰と風通しが十分にある休憩場所の設置、確保や、十分に水が摂れるようにしておくなどの対策が必要です。
 
○ 教育
 自らで判断するための知識などを持っていないものと思います。そのため、どのように水分補給するのか、どのようなときには休憩しないといけないのかなどを、教えておく必要があります。
 同時に、自由に水を飲む事ができる、辛くなったら休憩ができるような、雰囲気を作っておくことが重要です。怠けているなどと気になると思われますが、それは、指導の考え方や、行ない方によって十分に対応できるものです。
 
○ 普段より水分を摂ることを心がける
 スポーツをしている者は、全般的に脱水ぎみであるといわれています。運動をして汗をかく機会が多いためと考えられますが、これに対処するためには、運動時の水分補給だけでは足りません。普段より水分を摂るように心がける必要があります。
 具体的には、「水分補給と体調管理」のページを参考にして下さい。食事の際には、100%果汁ジュース(例:オレンジジュース)、低脂肪の牛乳や豆乳などの飲み物を付け加える。入浴の前後には必ず水を飲む。運動直後30分以内に、水分補給(+栄養補給)をする。普段の生活の中でもこまめに水分を摂るように努めるなどを行なうようにして下さい。
 以上を心がけていると、暑さに対する体の対抗力が強くなるものと思います。
 
○ 指標
 どのような気温のときに、どのような対応をすべきかということが必要と思いますが、サッカーでは、暑さに対する指針があります。試合向けではありますが、これを参考にして練習などを行われるとよいと思います。
 
 
 この年代の時期は、最も技術や戦術などが伸びる時期と思われます。そのためにも、できるだけ良い環境下でサッカーやることが大切となります。十分な対策、配慮を行なって、効率のよい練習ができ、事故や怪我のないようにしてください。

 この項目(サッカー)は、ご要望にて作成をしましたものです。
 
 参考資料
戸苅晴彦(1997) サッカーの暑さ対策
臨床スポーツ医学 14(7) 741-746

日本サッカー協会(1998) サッカーの暑さ対策ガイドブック
 
 参考事故事例
私立高校一年生のサッカー部員が夏季合宿で急性腎不全となり死亡した事故
 
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