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水分補給と体調管理
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体調管理
 オーバートレーニングについて
オーバートレーニングに注意
 暑いためや、水分のとり過ぎ、通常より運動量の増加、睡眠不足などによって、体調が悪くなることが多い時期です。そのままにしておくと、疲れが貯まる一方で、ケガを誘発する原因にもなりますが、オーパートレーニング症候群とよばれるような症状をおこすことがあります。
 オーバートレーニングとは、運動によって疲労が蓄積された(慢性疲労)状態で、ホルモンの分泌バランスが崩れた結果、発熱や頭痛、体重の減少やイライラ感、不眠、生理が止まる(女性)などが何日も続くなどの様々な症状を呈するものを言います。とくに、新入生、一年生などに多く発生します。これは、運動になれていないことや、体力が弱いということに起因します。
 以下に、程度にわけて自覚症状、他覚兆候と回復する目安をまとめてみました。
 
程度 症状、兆候 回復するには
軽度 原因不明の競技成績の低下
易疲労感
倦怠感 など
2週間程度の短期間
トレーニング量を減らす
中等度 頭痛
睡眠障害
体重減少
食欲不振
集中力の欠如
2〜3ヶ月間
トレーニング量を減らす
または、トレーニングの中止
重症 うつ状態 6ヶ月〜1年間、トレーニングの中止
競技復帰不可能の場合もある

 このような症状があらわれた場合には、かかりつけ医やスポーツ専門医などに見てもらうことをすすめます。運動をしているからといって、健康であるとは限らないのです。
 予防をするためには、まず、現在おこなっているトレーニングの負荷強度を適切なものにする必要があります。以下のようなことがみられた場合にはトレーニング強度が強すぎる、運動量が多すぎであり、オーバートレーニングに陥りやすくなります。
 
トレーニング強度が強すぎる場合の症候
1. 運動を止めた後10分が過ぎた後でも、息切れが続く
2. 運動中止後10分後でも脈拍数が1分間に100回以上ある
3. 運動をした日の夜は、寝つきが悪い
4. 運動をした次の日の翌朝、目覚めが悪い
5. 運動をした後に、悪心、嘔吐、胸痛がでる
6. 運動後1ヶ月経った後でも疲労が残っている

 まず、トレーニングの強度を弱くする、トレーニング量を減らす、運動を中止して休息を十分にとるなどの必要があります。さらに、起床時の脈拍数を毎日測定し、それをまとめておくと疲労の度合いを目極めるのに有効です。
 根本的には、運動と休息と栄養のバランスが保たれたものとすることが重要です。睡眠時間については、最低でも8時間は寝るようにし、かつ、就寝と起床の時刻を一定に保つことが大事です。
 また、暑い時期は、スポーツドリンクを飲む機会が多くなると思いますが、飲みすぎると糖質のとりすぎによって疲労の原因にもなります。飲む量に見合ったビタミンが必要となり、特にビタミンB群がよく含まれるような食事を心がけるとよいでしょう。
 
 日焼けについて
日焼けの対策は十分に!
 症状
 夏の時期には、だれもが外で活動をしたくなります。また、日焼けで黒くなった肌は健康的なイメージでとられたりとしますので、日に焼けて黒くなろうと思われる方が多いです。
色が黒くなることをサンタン(suntan)といいます。また、皮膚が炎症をしてしまったものをサンバーン(sunburn)、日光皮膚炎といい、特に問題となります。
 日光皮膚炎(サンバーン)は、日にあたって1〜2時間後より始まって、12〜24時間でピークとなります。症状は、ヤケドのように赤く腫れてしまい、腫れが進むと水泡になり、これが広い範囲に広がると、とても危険です。また、日焼けは、とても疲労をするものです。睡眠不足や集中力の低下の原因となったり、体の免疫力を低下させ、体調をくずしやすくなります。
 
 手当
 日焼けには、その程度に強弱があります。強いところを中心に冷たい水で濡らしたタオルなどで冷やすことがよいと思います。注意として、風邪を引かないよう、冷やすところ以外は服などを着て保温に努めてください。その他、下にまとめてみましたので参考にして下さい。
 
日焼けの手当の仕方
○ 冷たい水で濡らしたタオルを
 当てる。
冷やすところ以外は保温する。
氷嚢、アイスパックなどで冷やす時、必ず間に薄いタオルなどを入れる。また、冷やし過ぎに注意する(皮膚が敏感になっているため)。
○ 水分補給をする。 脱水になりやすいため、十分に水分を摂ってください。(摂り方は「水分補給と体調管理」を参考)
○ 水泡はつぶさず
 そのままにする。
つぶすと治るのが遅くなる。
つぶしたところから、感染症の危険あり
大きな水泡、広範囲にわたる水泡があるときは病院(皮膚科)へ行く。
○ 原則、薬などをぬらない。 アロエエキスなどは人によって、悪化させる場合もある。特に、油などは絶対にぬらないこと。
薬をつける際には必ず、医師または薬剤師の処方をうけたものとして下さい。
(ただし、痛みを伴わない軽い発赤などの程度の軽いものでは、ローションなどを使用しても大丈夫でしょう)
○ 強い痛み、焼けるような
 感じがあるときには
 病院(皮膚科)に行く。
お年寄りや、子供は特に注意が必要(体温管理が必要な場合あり)。
そのままにしておくと、とても危険です。
○ 病院に行けない場合には
 薬局で薬剤師と相談し
 薬をもらう。
外用薬(副腎皮質ホルモン剤)や、消炎剤などを、症状にあわせて出してくれます。

 予防
 日焼けは、日常に屋外で活動する機会が多い人と、そうでない人とでは差が生まれます。日頃、屋内にいる人のほうが、日光皮膚炎になりやすいので、短い時間ずつ屋外に出て、慣らしておくと良いと思います。また、体の部位によっても差があり、普段外に出ていない体幹部(胴の部分)なども炎症になりやすいです。
 この時期は屋外で泳ぐ機会が多いと思われます。泳いでいるから、水に入っているから日焼けしないというようなことは無く、「水深1メートル下でも十分に日焼けする」という報告があります。
 環境条件にも注意が必要です。砂浜、海、岩場、雪渓、草原(草の上)など、照り返しの強いところ、標高の高いところ(紫外線は100m高度が上がるにつれ1.3%増加)では十分な対策が必要です。
 予防をするのには、まず、日光より皮膚を隠すことになります。以下にまとめてみました。
 
日焼けの予防法
○ 原則、服を身につけて、皮膚を外に出さない。
 しかし、暑いのに長袖などを着るのは
 日焼けは防げても、熱中症は防げず
 運動のパフォーマンスも落ちますので
 環境に応じた、服装にすることが基本となる。
 (紫外線を防ぐために色は、白よりも色の濃いもの効果が高いが、
 運動をする場合には、熱を吸収しやすいため
 濃い色は避けた方がよい)
○ 帽子を被るようにする(唾の長さが7cm程度あるもの)。
 特に照り返しの強いところでは、可能なかぎり
 サングラスをかけて、目を保護する。
○ 日焼け止めをぬる
 特に、顔(額、鼻、頬、唇は重要)、耳、首筋、肩などには必ず。
○ 日焼け止めは
 SPFの高いもの(50以上をお勧めします)、PAは+++のもの
 クリーム状のものが、水や汗にも強く、落ちにくい。
 こまめに塗りなおす(2〜3時間毎)と効果は倍増します。
SPF・・・sun protection facterの略。紫外線のうちB波(短時間でほてり、痛み、発熱、疲労などをおこさせる)より肌を守る効果を示す指数。SPF 50で全くの素肌に比べ50倍の防ぐ効果があるということ。しかし、水や汗、タオルなどの摩擦でとれてしまうため、必要に応じぬりなおすとよい。
PA・・・紫外線A波(皮膚の奥まで浸透し、老化を早め、しわの原因となる、また、肌の弾力性を失わせる)から肌を守る効果を示す指数。PA+(効果がある)、PA++(かなり効果がある)、PA+++(非常に効果がある)となっており、+が多いほど効果がある。
 
 参考資料
日本体育協会(1995) スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック

読売新聞 平成11年7月17日付け朝刊

日本水泳連盟科学技術委員会(1987) 水泳医学入門

日本赤十字社(1998) 救急法講習教本 3版
 
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