バスケットボール basketball |
バスケットボールの特徴 |
特徴 |
@ 室内で行なう
屋外で行うことの多い”3オン3”を除き、屋内(体育館など)で行うスポーツです。
環境としては、とても暑くなりやすいものと考えられます。通気、通風性がよいとはいえず、また、空調装置があるところは少ないでしょう。狭い環境とはいえませんが、その中で、多数の人間が運動をすると、容易に気温、湿度は高くなります。
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A 運動負荷、量がとても多い
とても、運動量が多いスポーツです。動きが多彩で、投げる、飛ぶ、走る(前後左右)と、様々な動作を要求され、運動負荷が強い(特に短時間あたり)ものです。
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B 事故が多い
運動負荷が高いことからも考えられるように、体に対するストレスは高いものとなります。そのため、熱中症による事故がとても多く起こっています。
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バスケットボール注意点 |
注意点 |
○ 服装について
動きを妨げず、サイズにゆとりのあるのものとすることが基本となります。
汗はなるべくふき取るよう努めます。汗が流れるような状態、体表面に水滴があるような状態を避けて下さい。この理由は、汗は蒸発する際に体の熱を奪っていきます。その事によって体を冷やすのですが、水滴の状態となると蒸発しにくくなり、放熱性が悪くなるからです。
練習時において
吸湿性があり、体に貼りつきにくい素材がよい考えられます。
また、着替えを必要なだけ用意し、各自、汗をかいたらこまめに替えていくという方法がすすめられます。これは、汗がコート上に落ちると滑りやすくなり危険であるためです(特に多人数での練習の際)。
試合時において
汗を拭く機会はかなり少ないものと思います。機会を見て汗を拭くように努めるとよいと思います。具体的には、デットボールの際などが考えられます。
また、汗が多量にかいているような状況、環境時には、メンバーチェンジを多く行ない、汗を拭かせるようにさせることがすすめられます。
これらの際には、同時に水分補給を必ず行なうようにするべきです
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○ 水分補給と休憩について
大量に汗をかくスポーツです。そのため、水分補給はかかせません。
汗をかくと、体の中の水分が減ってきます。汗の元は血液ですので、汗をかいて水分を摂らずにいると血液が濃くなって流れにくい状態となります。この状態で、体は脱水をしています。体重の1%の量を汗によって脱水をすると、喉がかわき、2%となると、強い乾き、食欲不振、意識不振のような状態となってきます。また、判断力や集中力の低下がおこり、運動のパフォーマンスは落ちてしまいます(本人が自覚できるとは限りません)。
合間をみて、自由に飲水することができるようなものとすると同時に、こまめにとった休憩の時には、必ず水分補給をするようにして下さい。
飲み方についてなどは、「水分補給と体調管理」ページの運動時の水分補給を参考にして下さい。
バスケットボールについては、競技前に250〜500mlを、競技中の1時間当りに、500〜1000mlの水分補給をする必要があるとされています[森本武利(1993)]。
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○ その他
環境的に、通気、通風が悪いと想定されます。最大限に風通しを良くするように心がけるとよいものと思います。
また、外が曇や雨の場合でも、中は、とても蒸し暑い環境となりやすいものと思います。その場合は、練習の量、強度を落とすなどして、環境に対応をしなくてはなりません。
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この項目(バスケットボール)は、ご要望にて作成をしましたものです。
「NESバスケットボール部」(http://www.nihon-eng.co.jp/~basket/)、
「BASKETBALL RESOURCES」(http://member.nifty.ne.jp/yone/)の
両 Webmaster様のご協力、ご意見により、このページを作成させて頂きました。
お礼を申しあげます。
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参考資料 |
日本バスケットボール協会医科学研究部(1989)
バスケットボール、もっと安全にもっと強く ブックハウス・エイチディ
森本武利(1993) 暑熱馴化と熱中症
平成5年度日本体育協会スポーツ医・科学研究報告スポーツ活動時における熱中症事故予防に関する研究第3報 6-12
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参考事例 |
公立高校の生徒が、バスケットボールのクラブ活動中に、熱中症状をきたして急性心不全により死亡した事故
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